看護師国家試験対策:小児の症状緩和ケア 過去問解説

こんにちは、あひるのマーチです。
今日は小児の症状緩和ケアに関連する国試過去問(類題)をまとめて解説します。
小児特有の「症状のとらえ方」や「ケアの工夫」が試験でもよく問われます。


問題① 小児の疼痛評価

発語できない乳児の疼痛評価で用いられるスケールはどれか。

A. NRS(Numerical Rating Scale)
B. VAS(Visual Analogue Scale)
C. FLACCスケール
D. Faces Pain Scale


正解

C. FLACCスケール


解説

  • FLACCは、Face(表情)、Legs(足の動き)、Activity(活動性)、Cry(泣き声)、Consolability(慰め)を観察して点数化する方法。
  • 言語表出が難しい乳幼児に有効。
  • NRSやVASは成人や年長児に適する。
  • Faces Pain Scaleは学童期以降で使用されやすい。

ポイント:小児の疼痛評価は「発達段階に応じたスケール」を選択できるかが問われます。


問題② 呼吸困難のケア

小児の呼吸困難に対して有効な非薬物的介入はどれか。

A. 部屋を暗くする
B. 好きな音楽やおもちゃで気をそらす
C. 水分摂取を制限する
D. 安静を強く指示する


正解

B. 好きな音楽やおもちゃで気をそらす


解説

  • 小児では「気をそらす」工夫がとても有効です。
  • 他にも「体位調整(ファウラー位)」「加湿」「扇風機で風をあてる」など。
  • 水分制限は誤り。小児は脱水に弱いため注意。
  • 安静を強く指示するより、安心できる姿勢を一緒に探すことが大切。

問題③ 嘔気・嘔吐への対応

小児の化学療法による嘔気・嘔吐に対して適切なのはどれか。

A. 事前に制吐薬を投与する
B. 食欲があるときに一度にたくさん食べるよう促す
C. 強い匂いのする食事を勧める
D. 嘔吐が続いても経過観察とする


正解

A. 事前に制吐薬を投与する


解説

  • 化学療法性の嘔気・嘔吐は予防的に制吐薬を使用することが基本。
  • 食事は少量頻回が望ましい。
  • 匂いの強い食事は避ける。
  • 嘔吐が続けば脱水・電解質異常をきたすため経過観察ではなく介入が必要。

問題④ 口渇への対応

輸液制限がある小児の口渇に有効なケアはどれか。

A. 水分を自由に摂取させる
B. 氷片をなめさせる
C. 高カロリー飲料を与える
D. 水分を全く禁止する


正解

B. 氷片をなめさせる


解説

  • 水分制限がある場合でも、氷片・口腔保湿・リップクリームなどで口渇を和らげることができます。
  • 水分を自由に摂取させるのは制限に反する。
  • 高カロリー飲料は余計な負担になる場合がある。
  • 完全禁止は不適切。

問題⑤ 不安・恐怖への対応

小児が治療や処置に対して強い不安を示しているときに有効なのはどれか。

A. 「泣かないで」と注意する
B. 家族の付き添いを制限する
C. 絵本や人形を使って説明する
D. 手早く処置を行い説明を省略する


正解

C. 絵本や人形を使って説明する


解説

  • 小児は発達段階に応じた説明が必要です。
  • 絵本・人形・イラストを使った「プレパレーション(事前準備)」が有効。
  • 「泣かないで」と抑え込むのは不安を強めてしまう。
  • 家族の存在は安心につながるため付き添いは大切。
  • 手早く処置だけ行うと、恐怖体験として残りやすい。

まとめ

今日は小児の症状緩和ケアに関する過去問(類題)5問を解説しました。

💡 小児ケアでのポイントは…

  • 症状評価は「年齢に合わせた方法」を選ぶ
  • 非薬物的介入(遊び・安心・環境調整)が効果的
  • 家族を含めた支援が必須

次回は「小児看護における感染症とワクチン」をテーマに過去問をまとめます。
一緒にコツコツ勉強していきましょう!


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おわり。

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