こんにちは、あひるのマーチです🐥
今日は、私がとても心惹かれた1冊をご紹介します。
その本は、『小児緩和ケア ~こどもたちに緩和ケアを届けるために大切にしたいこと~』です。
小児緩和ケアを学びたい、始めたい医療者さん、看護師さん、学生さんにこそ手に取ってほしい、あたたかくて実践的なテキスト。本書の魅力を、私の視点も交えてお伝えします。
📘 本書の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | 小児緩和ケア — こどもたちに緩和ケアを届けるために大切にしたいこと |
| 著者 | 余谷 暢之 |
| 出版社 | 医学書院 |
| 発行年月 | 2024年6月 |
| 判型・頁数 | A5判・256ページ |
| 定価 | 2,970円(本体 2,700円 + 税) |
| ISBN | 978-4-260-05624-3 |
公式書籍ページはこちら → 医学書院 書籍詳細:小児緩和ケア
🌱 本書のテーマ・構成・特色
この本は、国内外の研究をふまえつつ、より実践的に「子どもと家族に緩和ケアを届ける」ことを目指して書かれた、はじめての小児緩和ケアの教科書的テキストです。
著者である余谷暢之氏は、国立成育医療研究センターなどで実践を重ねながら、「頭で知る」だけではなく「手を動かして使える」知識を形にしてきました。
目次をひもとくと、以下のような章立てが並んでいます。
- Chapter I:小児緩和ケアの考えかた
・小児緩和ケアの基本、緩和ケアの歴史、対象疾患、療養場所など - Chapter II:症状緩和
・症状評価の基本 / 疼痛 / 呼吸困難 / 倦怠感 / 消化器症状・出血 / 精神症状 / 臨死期対応
それぞれのテーマが、子どもの視点を忘れずに丁寧に解説されていて、読み進めるうちに「この場面ならこう考えるかも」という思考が育ちます。
特徴として特に印象的なのは:
- 子どもを主語にする視点:子どもの発達段階、理解度、不安感・恐怖感を前提にしたケア論が積み重ねられている点
- 症状緩和と意思決定支援のバランス:痛み・呼吸困難など身体的アプローチだけでなく、家族との関係性・共感・対話への配慮が書かれている点
- 国内外文献との接続:Oxford Textbook of Palliative Care for Children など海外主要文献を参照にしている点
💡 “あひるのマーチ”視点からの読みどころ・活用ヒント
小児緩和ケアを現場で支える立場として、この本を読む際の工夫や活用法を、少しお伝えします。
① “子どもの目線”を思い出すトレーニング
本書を読むとき、特に意識してほしいのは「大人の視点」で判断しないこと。
たとえば、疼痛評価をする際、「子どもならどう見えるか」「家族にはどう説明するか」を、自分の言葉で問い直しながら読むといいです。
② 章・節ごとにミニ演習を挟む
本書は章立てが明快なので、ある節を読み終えたら次のような演習を自分に出してみてください:
- 架空の小児症例を設定 → その症状ならどう評価するか?
- 家族への説明の言葉を考える
- 大人の緩和ケアの理論を、子どもに“読み替え”てみる
こうすることで、「知る」だけでなく「使える知識」に変わりやすくなります。
③ 教育・研修材料として使う
新人スタッフや学生向けの講義・勉強会で扱う際、この本は最適な教材になります。
1節ずつテーマを絞ってディスカッション形式で進めると、理解も深まります。
例えば「呼吸困難」の節を取り上げ、次のような問いを出す:
- 子どもの呼吸困難、どのようにアセスメントする?
- 家族に説明するとき、どんな表現が安心を与えるか?
- 大人と違う対応(装置、吸入、環境調整など)は?
こういった使い方がとても効果的です。
📚 書籍リンク
👉 『小児緩和ケア ~こどもたちに緩和ケアを届けるために大切にしたいこと~』をチェックする
✨ まとめ:子どもと家族を思うケアをもう少し近くに
小児緩和ケアの分野は、まだまだ発展途上。
その中で、この本は“初心者”にも“経験者”にも、温かい手を差し伸べてくれるガイド役だと感じます。
「こうすればいい」という答えだけでなく、「どう考えるか」「どう関わるか」を育ててくれる力があります。
もしあなたが、子どもとその家族のそばで緩和ケアを届けようとしているなら、
この本はきっと、あなたの学びと支えになる一冊です🌿
ぜひ、あなたの手元に加えてみてください。
おわり。

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