冬は乾燥と寒さで、体調を崩したときの回復力が落ちやすい季節です。嘔吐や下痢があると「飲ませたいのに飲めない」状態になり、脱水が進みやすくなります。今週のポイントを症例でまとめて確認します。
◆ 症例
2歳。前日から嘔吐と下痢があり、今日は水分を嫌がってほとんど飲めない。おむつの濡れが少なく、家族は「寝ている時間が増えた」と感じている。室内は暖房で乾燥している。
◆ 総合問題(5問)
第1問:この症例で循環血液量低下を疑う観察として最も適切なのはどれか。
- A:口唇が乾燥し、涙が少ない
- B:皮膚ツルゴールが低下している
- C:毛細血管再充満時間が延長し、末梢が冷たい
- D:眼窩がややくぼみ、粘膜が乾燥している
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正解:C:毛細血管再充満時間が延長し、末梢が冷たい
解説:脱水が進行し循環血液量が低下すると、末梢循環が悪化し、毛細血管再充満時間の延長や末梢冷感が目立ちます。これは重症度判断と受診の優先度に直結する所見です。
A・B・D:いずれも脱水を示唆する所見ですが、「循環不全に近づいているか」をみる決め手としては、末梢循環(CRTや冷感)の方が優先度が高くなります。
第2問:嘔吐がある子どもに経口補水液を再開するときの説明として最も適切なのはどれか。
- A:少し落ち着いたら、まとめてしっかり飲ませる
- B:少量ずつ、時間を区切って頻回に与える
- C:スプーンで数mLずつ与え、吐いたらその日は中止する
- D:嘔吐が止まるまで、水分は控えて様子を見る
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正解:B:少量ずつ、時間を区切って頻回に与える
解説:嘔吐時は胃の刺激を減らすため、少量をこまめに与えるのが基本です。経口補水が成立すれば、点滴を避けられることもあります。
A:まとめて飲ませると再嘔吐しやすくなります。
C:少量ずつ与える工夫自体はよいのですが、「吐いたらその日は中止する」は不適切です。嘔吐があっても、落ち着いたら少量ずつ再開して経口補水を続けることが脱水予防につながります。嘔吐=中止としてしまうと、水分と電解質の補給が遅れて脱水が進みやすくなります。
D:水分を止めると脱水が進行しやすく危険です。
第3問:点滴を含めた医療介入を優先して考える状況として最も適切なのはどれか。
- A:少量ずつは飲めて、反応も保たれている
- B:下痢はあるが、尿は普段通り出ている
- C:末梢循環が悪く、ほとんど飲めない
- D:食欲はないが、遊ぶ様子はある
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正解:C:末梢循環が悪く、ほとんど飲めない
解説:末梢循環不良の所見があり、経口摂取も成立しない場合は、脱水が中等度以上で進行している可能性があります。点滴を含めた評価と治療を優先します。
A・B・D:経口補水が成立し全身状態が保たれるなら、まずは家庭対応や外来での評価が可能なことがあります(ただし経過で悪化する場合は受診します)。
第4問:この症例で、家庭対応よりも早めに受診を勧める判断材料として最も適切なのはどれか。
- A:下痢が1日2回あり、機嫌は保たれている
- B:微熱があり、食欲が少し落ちている
- C:おむつの濡れが少なく、ぐったりして飲めない
- D:食欲はないが、遊ぶ様子はある
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正解:C:おむつの濡れが少なく、ぐったりして飲めない
解説:尿量低下(おむつの濡れが少ない)と反応低下(ぐったり)があり、さらに経口摂取が成立しない場合は、脱水が進行している可能性が高いです。点滴を含む評価が必要になることがあるため、早めに受診につなげます。
A:回数だけでは重症度は判断できません。全身状態と摂取・排泄が重要です。
B:微熱と食欲低下だけでは緊急度の決め手になりません。
D:遊べているなら、まずは経口補水で様子を見る余地があります(ただし尿量や反応で判断します)。
第5問:家族への説明として最も適切なのはどれか。
- A:吐いた後は休ませ、無理に飲ませない
- B:飲めるものを優先し、スポーツ飲料を少しずつ与える
- C:おむつの濡れと反応を確認し、受診目安を共有する
- D:夜は寝かせて様子を見て、朝に判断する
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正解:C:おむつの濡れと反応を確認し、受診目安を共有する
解説:家庭で共有しやすい観察は、尿(おむつの濡れ)と反応(元気・ぐったり)です。経口補水が成立しない、ぐったりしているなどの危険サインがあれば、早めに受診につなげる説明が重要です。
A:無理は禁物ですが、「飲めない状態が続く」こと自体が危険サインになり得ます。
B:スポーツ飲料は経口補水液とは成分が異なり、脱水時の第一選択ではありません。
D:夜間も状態は変化します。危険サインがあれば待たずに対応します。
看護の落とし穴:冬は「寝ているだけ」と見えやすく、ぐったりのサインを見落として受診が遅れやすい点に注意です。
◆ あひるのひとこと
迷ったら、尿と反応。そこが崩れてきたら、早めの評価がいちばん安全です。
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おわり。

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