緩和ケアの歴史~世界と日本と小児緩和ケア~

緩和ケアの歴史 ~世界と日本と小児緩和ケア~

こんにちは、あひるのマーチです。
今日は「緩和ケアの歴史」について、少し振り返ってみたいと思います。
緩和ケアは“がんの終末期医療”というイメージを持たれがちですが、その背景には長い歴史と発展の積み重ねがあります。


緩和ケアの始まり:ホスピス運動

緩和ケアの源流は、中世ヨーロッパの「ホスピス」にさかのぼります。
旅人や病人を迎え入れ、看取りやケアを行う場所として始まりました。

近代的なホスピス運動を広めたのは、1960年代のイギリスです。
看護師であり医師でもあったシシリー・ソンダースが「セント・クリストファー・ホスピス」を設立し、痛みや苦痛を和らげる全人的なケアの重要性を提唱しました。
ここから「緩和ケア」という概念が世界に広がっていきました。


世界での広がり

1970年代〜1980年代には欧米を中心にホスピス・緩和ケアの施設が増え、WHO(世界保健機関)も緩和ケアの必要性を明確に打ち出しました。
特に1986年には、WHOが「緩和ケアは終末期だけでなく、診断の早い段階から取り入れるべき」と示しています。
この考え方は現在の緩和ケアの基本方針にもつながっています。


日本における緩和ケアの導入

日本では1980年代に、がん患者を対象とした「ホスピス病棟」が徐々に開設され始めました。
1981年、聖隷三方原病院に日本初のホスピスが誕生し、その後「緩和ケア病棟」という名称で全国に広がっていきました。

1990年代には、がん治療における緩和ケアの位置づけが明確化され、2000年代に入ると「がん対策基本法」にも緩和ケアが盛り込まれるようになりました。
これにより、がん治療と並行して緩和ケアを提供する体制が整ってきました。


小児緩和ケアの歴史

成人に比べると後れをとっていましたが、近年は小児領域でも緩和ケアの必要性が強調されるようになっています。
2000年代以降、小児科医や看護師、心理士、訪問看護など多職種で支える体制づくりが進められ、現在では全国的に広がりつつあります。

「治療」と「生活の質(QOL)」の両立を目指す姿勢は、大人も子どもも同じです。
歴史を振り返ると、ようやく小児にも光が当たり始めたことがわかります。


まとめ

緩和ケアは「最期の医療」ではなく、「診断の瞬間から支える医療」へと進化してきました。
歴史を知ることで、今の私たちがどのように患者さんや家族に関わるべきかを見直すヒントになります。

これからも、小児を含めた幅広い緩和ケアの発展に注目していきたいと思います。

おわり。

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