呼吸困難は、臨床でよく遭遇する症状のひとつです。
SpO₂や呼吸数といった指標がある一方で、「数値は悪くないのに苦しそう」「本人はつらいと訴えている」と判断に迷う場面も少なくありません。
ここでは、呼吸困難を「どう評価し、どう捉えるか」という視点から、呼吸困難のマネジメントを整理します。
呼吸困難のマネジメントでまず押さえたい考え方
呼吸困難は、必ずしも検査値やモニターの異常と一致する症状ではありません。
「息が苦しい」と感じていること自体が、評価の出発点になります。
SpO₂や呼吸数は重要な情報ですが、それだけで呼吸困難の有無や程度を判断することはできません。
呼吸困難は、身体的な要因だけでなく、不安や恐怖、環境の影響によっても強まります。
呼吸困難の評価で基本となる視点
呼吸困難の評価では、次のような点を整理します。
- 息苦しさの訴えの有無と表現
- 呼吸数や呼吸の仕方(努力呼吸の有無など)
- 体位による変化
- 会話ができているか
- 表情や落ち着きのなさ
これらを組み合わせて、呼吸困難の全体像を捉えます。
数値だけでなく、「今どのように呼吸しているか」「どれくらい余裕があるか」を見ることが重要です。
呼吸困難が生活に与える影響を見る
呼吸困難は、生活に直接影響する症状です。
- 横になれない
- 動くとすぐに息が切れる
- 会話が続かない
- 眠れない
呼吸困難のマネジメントでは、息苦しさの強さだけでなく、「何ができなくなっているか」を確認します。
呼吸がつらい状態が続くと、活動量の低下や不安の増強につながりやすくなります。
呼吸困難では「安心感」が症状に影響する
呼吸困難は、不安や恐怖と強く結びつきやすい症状です。
息が苦しいと感じることで不安が強まり、その不安がさらに呼吸を浅く・速くしてしまうことがあります。
そのため、呼吸困難のマネジメントでは、
- そばにいること
- 落ち着いた声かけ
- 安心できる環境づくり
といった安心感を支える関わりも重要になります。
目標は「息苦しさをゼロにする」ことだけではない
呼吸困難の理想的な目標は、息苦しさがない状態です。
しかし、疾患や状態によっては、完全に取り除くことが難しい場合もあります。
その場合、目標は
- 少しでも楽に呼吸できる
- 会話ができる
- 休息がとれる
といった生活のしやすさに置かれることもあります。
呼吸困難のマネジメントでは、「どこまでできるようになりたいか」を共有することが大切です。
呼吸困難のマネジメントで看護が担う役割
看護では、呼吸困難を数値だけで判断せず、全体像として整理します。
- 呼吸の様子や変化を継続的に観察する
- 本人の不安や訴えを受け止める
- 体位や環境を調整する
- 必要なタイミングで、医師を含む多職種と連携する
呼吸困難は変化しやすい症状です。小さな変化を共有し、早めにつなぐことも看護の大切な役割です。
まとめ|呼吸困難をどう捉えるか
呼吸困難は、数値だけでは捉えきれない症状です。
評価、生活への影響、不安の存在をひとつながりで考えることで、呼吸困難のマネジメントはより実践的になります。
「どれくらい苦しいのか」「何が一番つらいのか」を丁寧に捉えることが、支え方を考える出発点になります。

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