倦怠感(だるさ)は、多くの患者さんが訴える症状のひとつです。
しかし、数値で示しにくく、原因も一つに特定しづらいため、「どう扱えばいいのか」で迷いやすい症状でもあります。
ここでは、倦怠感を「どう評価し、どう支えるか」という視点から整理します。
倦怠感は「見えにくい症状」
倦怠感には、血圧やSpO₂のような明確な指標がありません。
だからこそ、本人が「しんどい」「だるい」と感じていることが評価の出発点になります。
検査値に大きな異常がなくても、生活の中では強い負担になっていることがあります。
まずは「症状として存在している」ことを前提にすることが、倦怠感のマネジメントの第一歩です。
倦怠感の評価で整理したいこと
倦怠感では、原因を一つに決めるよりも、全体像を整理することが重要になります。
- いつから続いているか
- 一日の中で波があるか
- 何をすると強くなるか
- 眠れているか
- 食事や水分はとれているか
倦怠感は、病状・治療・睡眠・栄養・不安など、複数の要因が重なって強まることがあります。
「どれが原因か」を明確にすることよりも、どんな状況でつらさが強くなるかを整理する方が、支援につながりやすい場面もあります。
原因探索ばかりに意識を取られないようにしましょう。
倦怠感は生活を静かに狭めていく
倦怠感は、強い痛みのように目立つ症状ではありません。
しかし、少しずつ生活の幅を狭めていきます。
- 起き上がるのがつらい
- 入浴や移動が負担になる
- 会話や考えることがしんどい
- 好きだったことを避けるようになる
倦怠感のマネジメントでは、だるさの強さだけでなく、「何ができなくなっているか」を見ることが大切です。
「頑張る」は解決にならないことがある
倦怠感は周囲から見えにくいため、「少し動いた方がいいのでは」と言われやすい症状です。
けれども、無理に活動量を上げることが、かえって消耗につながることもあります。
倦怠感のマネジメントでは、できる範囲を見極めることが重要です。
活動と休息のバランスを整え、体力を使う場面を選ぶことが、生活の安定につながります。
目標は「元の状態に戻す」ことだけではない
倦怠感の理想は、だるさがない状態です。
ただし、完全に取り除くことが難しい場合もあります。
その場合、目標は
- 楽に過ごせる時間を少しでも増やす
- 大切なことに体力を使えるようにする
- 負担の少ない生活のリズムを整える
といった生活の組み立て直しに置かれることもあります。
「何を優先したいか」を共有することが、倦怠感のマネジメントでは欠かせません。
倦怠感のマネジメントで看護が担う役割
看護では、倦怠感を軽く扱わず、生活への影響とあわせて整理します。
- 倦怠感の波や増悪因子を一緒に確認する
- 休息の取り方を整える
- 睡眠や栄養などの基本を見直す
- 必要に応じて医師を含む多職種へつなぐ
倦怠感は、言葉になりにくいこともあります。つらさを言語化する支援も、看護の大切な役割です。
まとめ|倦怠感を症状として扱う
倦怠感は、見えにくく、後回しにされやすい症状です。
だからこそ、「だるい」という訴えを症状として受け取り、生活とのつながりを整理することが重要になります。
倦怠感のマネジメントは、元気に戻すことだけを目標にせず、今の状態でどう過ごすかを一緒に考えることから始まります。

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