こんにちは、あひるのマーチです🐤
今日は、緩和ケアを学ぶすべての人にぜひ読んでほしい一冊、
『死を前にしたひとのこころを読み解く 緩和ケア÷精神医学』 を紹介します。
「死を前にしたとき、人は何を思うのか」
その問いに、緩和ケアと精神医学という2つの視点からそっと光を当てる本です。
決して専門用語を並べるのではなく、
読む人の心に静かに浸透してくるような“深くてやさしい一冊”です。
📘 書籍概要
- 書名:死を前にしたひとのこころを読み解く 緩和ケア÷精神医学
- 著者:岩田 真治
- 出版社:医学書院
- 発行年:2024年
- ISBN:978-4-260-04115-1
🌿 この本が伝えるもの
1. “こころの揺れ”に名前をつけすぎない
終末期の患者さんが口にする言葉。
時に強く、時に弱く、揺れ動く感情。
本書は、それらを“症状”としてではなく……
「ひとりの人が辿ってきた物語の一部」として読み解く姿勢を大切にしています。
その言葉は、どこから来たのだろう。
その沈黙には、どんな思いが隠れているのだろう。
そんな“問いの持ち方”こそ、緩和ケアの核心です。
2. 緩和ケア × 精神医学の視点がわかりやすい
緩和ケアは、「身体の痛み・こころの痛み・家族の痛み」をトータルで支えようとする領域。
精神医学は、「こころの動きを理解するための言葉と枠組み」を持つ領域。
この2つが掛け合わされることで――
- 患者さんの発言の背景
- “死”を意識したときの思考
- 家族の揺れ
- 自分自身の揺らぎ
が、そっと立体的に見えてきます。
難しい専門書ではなく、
読みものとして自然に入ってくる分かりやすさが魅力です。
3. 静かな文体がこころに染みる
本書の文章はとても静かで、押し付けがましさがありません。
終末期ケアを経験した人には“あの瞬間の空気”を思い出させるような、
優しくてあたたかい語り口です。
読みながら、自分の呼吸がゆっくりになっていくような本です。
📑 特に印象に残るテーマ
- 死の受容を“段階”ではなく“揺らぎ”として捉える
- こころの痛みは“言語化できないまま”でいい
- 家族の苦しみもケアの対象
- 沈黙を“支援”として受け止める
- ケア者自身の心の揺れも大切にする
とても深いテーマが並びますが、どれもやさしく読めます。
🩵 こんな人におすすめ
- 緩和ケアをもっと深く学びたい看護師
- 小児・成人どちらの終末期ケアにも携わる医療者
- 患者さんの“言葉の奥”を理解したい新人看護師
- 家族ケアや精神的苦痛に寄り添いたい人
- 「寄り添うって何?」と悩んだことがある人
読んだ後、
“ケアの見え方”が少し変わる本です。
🕊 あひるのひとこと
死を前にした人のこころは、とても繊細で、とても複雑で、そしてとても人間らしい。
その揺れを「正しい・間違い」と決めつけず、
“一緒に歩く”という姿勢を思い出させてくれる一冊です。
緩和ケアに携わるあなたの、
心のどこかにそっと灯りをつけてくれる本だと思います。

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