「人は死んだらどうなると思う?」
こんな質問をされたことが人生で1回ぐらいはあるのではないだろうか。
人は生きている以上いつか絶対に死ぬ。
死んだ先がどうなっているか。
誰しも考えたことがあると思う。
人は死んだらどうなるか。
つまり死生観に対する問いかけへの返答は大きく6つに分類される。
- 他の人間や動物に生まれ変わる
- 別の世界で永遠に生き続ける
- すぐそばで子孫を見守る
- 子孫の命の中に生き続ける
- 自然の中に還る
- 完全に消滅する
これは特に説明するまでもないと思う。
もしかしたらこれ以外の答えを持つ人もいるかもしれないけど大別するとこの中のどれかに当てはまるんじゃないかな。
あなたの死生観はどれだった?
自分の場合は6。
死んだら完全に消滅する。
無に帰す。
と考えている。
自分の死生観について少し話す。
自分にとって人生とは苦しみの海みたいなもので生きていることそのものが苦しさつらさだと思っている。
人は生きるために
呼吸をしなければいけない。
人は生きるために
食事をしなければならない。
人は生きるために
排泄しなければいけない。
挙げればきりがないほど人は生きるために必要なことが多すぎる。
なぜそこまでして生きなければいけないのか。
本当に不思議だと思う。
そういう考えを持っているので自分の持つ死のイメージは”生からの解放”である。
“生きるという苦しみから解放されること”が「死」であり、人を含めた生物は解放の極致である「死」を目指しているという考え方。
「生きることは苦しみだ」という考えに共感してくれる人なら理解してくれるのではないかと思う。
こういう考え方をもっていると6以外じゃむしろ困ってしまう。
だって6以外だとやっと死んで生から解放されると思っていたら別の場所でもしくは新たな姿でまた生き続けなければならない。
なぜ死してなお生き続けなければならないのか。
自分の中ではそれはどうしても拒否したい。
身体も精神もすべて消滅して何も残らず消え去ってほしい。
そのために死を目指す。
じゃあさっさと死んで解放されればいいじゃんという発想が出てくると思う。
でもそれはなんか違うんだよね。
「いつ死んでもいいと思っている」
けど
「今すぐ死にたいとは思っていない」
この違いわかるだろうか。
自分の意思で死を選ぶというのは自分の中でいまいち納得がいかないしこの世に生を受けた以上はその生を全うしなくてはいけない気がしている。
生を全うするということは、自分にとっては苦しみを伴う人生を全うすることでやっと魂の消滅と人生からの解放という褒美を授かるイメージ。
キリスト教(プロテスタント)の考え方に「神様から授かった肉体を自分で傷つけてはいけない」というのがある。(信者の方に聞いた話なので間違っていたらすいません)
キリスト教(プロテスタント)では死んだら神様の元(天国)へ帰り未来永劫平和に暮らせるらしい。
つまり死ぬことで天国へ戻ることができる(人はみな天国が故郷という考え)。
ならば自ら命を絶てばすぐにでも天国に帰れるという考えを律するために定められているルールが「神様から授かった肉体を自分で傷つけてはいけない」というもの。
これを初めて聞いたとき、宗教というのは本当によく考えられているなと感心したものだ。
自分がこの考え方を知るきっかけになった患者さんとの思い出はいつかまた別の形で文章に残そうと思う。
自分の場合はキリスト教ではないので「神様から授かった肉体」ではないけれどこの世に生を受けた以上は生を全うしなければいけないという謎の使命感を感じており、行きつく先は天国ではなく魂の消滅という救済だということ。
この考え方を持っているから死に対して“恐怖”という感情はまったくない。
これは強がりでも何でもなくずっと昔から心にある。
先日ブログで書いた「死の体験旅行」
自分にとって死は最終到達目標であり、そこに行きつくことが生きる目的とすら言える。
だからこそ失う悲しみよりも整理しながら進む過程をよりポジティブに捉えていたのだと思う。
ここで紹介したのは自分の考え方であってたぶん共感してくれる人はそれほど多くないと思う。
でもここまで読んでくれた人はきっと少しは考えたよね。
「そんな考え方間違っている」
「自分ならどうだろう」
「この点だけは似てる」
などなど
「人は死んだらどうなると思う?」
その問いかけにあなたなりの答えを準備しておくということ。
それはあなたが自分の人生について、生きる意味について、死について少しでも考えた証拠。
もっと気楽に死を身近に感じて。
少し補足。
死の考え方についてもっと詳しく知りたい人は宗教関連の本をおすすめする。
宗教って聞くとちょっととっつきにくいイメージかもしれないけど宗教というのはまさにどう生きてどう死ぬかについて大昔から在り続けているもの。
これほど参考になるものはないのでわりと読みやすいものをひとつ紹介しておく。
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