最近キューブラー・ロスについていろいろ知りたくなって関連書籍を読んでいる。
キューブラー・ロスは「死にゆく過程の5段階説」を提唱した医師。
緩和ケアを学ぶものはもちろん、看護学生でも名前を聞いたことがあるほど有名な医師である。
そんなキューブラー・ロスの数多くの講演から抜粋した講演集。
今までもキューブラー・ロスについてはちょこちょこ勉強していたのだが、あらためて読んでひとつだけどうしても納得したくないことがある。
それは「死後のいのちは永遠である」というこの本の帯にもなっている彼女の言葉。
納得できない。
ではなく“納得したくない”。
彼女の言う「死後のいのちは永遠である」というのはその言葉の通り死んだ後も別世界で生き続けるということを示唆している。
それは死の淵に見る幻影に生者が出てこないこと、顔も知らない親が出てくることなど様々な検証によって証明されている。
その証明自体を疑うつもりはない。
だが、「批判的であったり、否定的であったり、判断を加えようとしたり、精神病じゃないかとレッテルを貼ってはいけない。それを受け止めるだけの広い心が必要だ。」と述べられており、それが真実なのだからあるがままに受け入れろというニュアンスは個人的にはしんどい。
彼女の考え方そのものに対する反対はないのだが、“死んでなお生き続ける”という状況が真実であるとすれば“死んでなお地獄が続く”と思ってしまう。
もちろん彼女の説では死後の世界は愛する人たちとのしあわせな世界なようだがそれでもやはり自分という個がそのまま生き続けるという状況は受け入れがたい。
このblogでも何度か触れているが個人的には死は“生からの解放”であってほしい。
死ぬことで自分に関するあらゆるものが消滅して解放されて無にかえってほしい。
そういった死への希望を持つ自分にとって死んでなお続く世界というのは到底納得できるものではない。
「死後のいのちは永遠である」という言葉を嬉しいと思う人もいると思う。
そう思うことで死に関する不安が減る人も多いだろう。
何が正解かは死んでみないとわからない。
そして死んでしまうと答えを現世に教えることはできない。
死後の世界の謎は死ぬまでわからない。
いつかくる死の瞬間。
その時に答えを知り、泣くか笑うか。
その瞬間までドキドキして待つしかない。
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