緩和ケアのちょっとタメになる話 Vol.7。
今回は高カルシウム血症に関連する話。
0d27dc54e2b50a582d6910a7a2879362高カルシウム血症の症状は、全身症状(倦怠感、多飲、多尿)、消化器症状(悪心・嘔吐、便秘)、中枢神経症状(傾眠、意識障害、痙攣)など多岐にわたる。
しかもこれらの症状はオピオイドの副作用など他の要因で出現する可能性が十分にある。
症状が出現した時、基本的には原因を同定してそこに対する治療を行うということになる。
ちょっとタメになる話で記載したように、カルシウム値の補正式を知らないと高カルシウム血症の可能性を知らぬ間に除外してしまう可能性がある。
実臨床ではこのような経験をしたことがある。
傾眠傾向が強く活動性がなかなか上がらないオピオイド使用中の患者。
オピオイドの副作用が強く出ている可能性を中心に検討し、オピオイドの減量含めて対応を行った。
それでもなかなか傾眠傾向は改善しない。
あらためて採血でデータを確認するとアルブミン値が下がっており、カルシウム補正をすると高カルシウム血症が判明した。
そして電解質補正をすることで傾眠傾向は改善された。
知っていればすぐに気づくし簡単なこと。
でも知らないとずっと気づくことができない。
アルブミンが低い患者に出会ったとき、「カルシウム値は大丈夫かな」と少し気にするようにしてほしい。
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