NSAIDsはCOX阻害の仕組みに基づいて4種類の機序がある。
アスピリン:サリチル酸系
COXの活性部位に非可逆的(一度結合すると離れない)に結合する。
COX1.2ともに同じ場所に結合する。
アスピリン等が先にCOXに結合することでアラキドン酸が結合できなくなる。
その結果アラキドン酸は代謝されずプロスタグランジンEの産生が抑制される。
イブプロフェン、メフェネム酸:アントラニル酸系
COXの活性部位に可逆的に結合する。
COX1.2ともに同じ場所に結合する。
可逆的であるため、COXと結合する際に薬とアラキドン酸で競合する。
そのため、アラキドン酸が増えるとアラキドン酸が薬を押しのけてCOXと結合し、代謝が進んでしまう。
ジクロフェナクナトリウム、インドメタシン:アリール酢酸系
COX1.2ともに同じ場所に結合する。
アリール酢酸系の結合部位は活性部位ではない。
しかし結合することによりアラキドン酸が活性部位に到達することを妨げる。
COXの入り口に蓋をするイメージ。
セレコキシブ:コキシブ系
COX1には結合できない(選択的COX-2阻害薬)。
COX2の活性部位を覆うような形で蓋となりアラキドン酸の結合を阻害する。
補足
すべての「COX」は「同じCOX」を示している。
そのため、どれか一つのNSAIDsがアラキドン酸の結合を阻害していれば、異なる種類のNSAIDsを併用しても相加効果や相乗効果は期待できない。
すなわち、NSAIDsを複数併用することはほとんどない。
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