【悪しき風習?】時代遅れの看護

いつだったかTwitterで

「三角コーナーなんて今時やらないから演習は無駄」

「ベースンにお湯ためて清拭なんていつの時代の話だ」

とか看護学校で行われる“時代遅れの看護”についてのツイートを見たことがある。

個人的には“時代遅れの看護”とされている数々を学ぶ意義は十分にある。

でもまぁTwitterだしちょっと大げさに言ってんのかなって思ってた。

けど少し前のこと。

今の若者にとってそれらが大げさでもなんでもないごく自然な発想だと思い知る。

うちの施設は看護学生がちょこちょこ実習に来る。

そんな実習生を担当することもあるんだけどその中の一人から衝撃的な言葉を言われた。

「認定看護師さんでもシーツ交換とかするんですね。」

思わず爆笑した。

そらするだろうよ。

認定看護師を何だと思ってるんだよ。

さすがにこんな学生はそう多くないだろうけど学生によってはシーツ交換は看護助手の仕事で看護師がすることなんてほとんどないと本気で信じている学生もいるらしいということに気づいた。

そらそういう考え方なら三角コーナーの演習や実技テストに意味を見出すことはできないよな。

その他にも便利な機器がたくさん発明されている医療現場。

冒頭のようなベースンにお湯を汲んで保清なんて「やってるところあるのか?」って気持ちになるのもまぁわかった。

でも実際に三角コーナー作成もベースン使用もしている施設はめちゃくちゃたくさんある。

一部の施設だけを見て“時代遅れ”と決めつけるのは視野が狭すぎる。

学生の時に調べる病院や施設ってたぶんきれいなところだったり最先端医療だったりをしているところが多いんじゃないかな。

そういうところにインターンや見学に行くと学校の演習がずいぶん古臭く感じるのはわかる。

わかるんだけどその古くからある看護演習を今も続けている意味も考えてほしい。

看護学校は最新機器の操作方法を学ぶ場所ではない。

最先端技術ってのはいかに効率的に効果的に行えるかというのを追求した結果、発展してきている。

世の中にいかに便利な道具が出てきてもその根本にあるのは看護学校で習う古臭い演習にある。

つまり最先端技術だろうが時代遅れの方法だろうがその目的は同じはず。

それなら進化する前の“時代遅れ”を学んでおくほうが一番大事なところが理解できると個人的には思う。

根本を学ぶ前に最先端を知ってしまうとどうしても不便に感じるし本来の目的を見誤る可能性があると思ってる。

それに根本的なケアを知ってれば大切なことを押さえられるのでいくらでも応用が利く。

逆に最先端の方法しか知らないとその設備がないところに就職した場合、時代を逆行して応用する発想は難しいんじゃないかと思う。

さらに言うと災害時に役に立つ。

災害時は電気もガスも使えない。

例えば電子血圧計なんかは電池がないと使えないけど水銀血圧計ならいつでもどこでも使える。

その時その場にあるもので工夫してケアをする力っていうのはこういう”時代遅れの看護”の中でこそ培われるのではないかと思う。

ちょっとお局っぽい思考かもしれないけど現代の若い看護師にとっても“時代遅れの看護”は意味のある大切な看護だと思うのでいくら文句を言ってもいいんだけどきちんと身につけて看護師の世界に足を踏み入れてほしいなと思う今日この頃でした。

おわり。

コメント

タイトルとURLをコピーしました