心疾患×他臓器の病態理解

2021年 春季増刊
「心疾患×他臓器の病態理解」
Twitterで流れてきてちょっと気になったので購入。

去年のだけど読後感としてはなかなか。

普段は先天性心疾患ばかり見ている身としてはそもそもの心臓の働きっていうのが簡易な言葉で説明されててよかった。

あと図解がわかりやすかったかな。

心疾患×他臓器の病態理解

これは心臓と脳の関係性を表した図。

経験上、心臓の図で大動脈弓から3本の動脈が伸びている図はよく見る。

でもその3本の先がどこにつながってるかって知らない人もいるんだよね。

例えば
「大動脈縮窄症(CoA)」

https://tsunepi.hatenablog.com/entry/2014/11/10/070000

この疾患がある人は上下肢のSpO2を図る必要がある。

縮窄の程度や動脈管開存の指標になるから。

そのSpO2上下肢差を図るときに上肢は“右手”につける必要がある。

理由は上の図を見てもらえばわかる通り大動脈弓の1つ目の分岐が右手に伸びている。

つまり縮窄部位より手前にあるということ。

左手は分岐の3つ目であり縮窄部位によるけど縮窄の影響を受けやすい。

そういった理由で大動脈縮窄症の上下肢差は“右手”と下肢となっている。

きっと「大動脈縮窄症の上下肢差測定は右手でする」ってのは臨床にいるとわかると思う。

じゃあなぜ右手なの?

って質問に答えられるかどうか。

答えられなくてもできたらいいじゃん。

そう思うかもしれないけどそれってちょっともったいないよね。

自分の中で血管の巡りを理解して心臓と他の臓器がどう関わっているか。

そんな疑問を解消できる本だった。

残念ながら先天性心疾患をメインに扱っているわけではないので(当たり前だけど)あくまでタイトルにあるような心臓と他臓器の関連に焦点を当てて学習したい人にはいいかも。

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