先輩に誘われて行った先。
それが大学4年間を捧げる場所になるなんて思いもしてなかった。
全国どころか全世界にあるので知ってる人もいるかもしれない。
連れていかれたその場所は「YMCA」だった。
ちなみに自分はYMCAの存在は全く知らずこの時点ではまだ胡散臭さは捨てきれていなかった。
YMCAはいろんな分野で活動をしていて、自分が参加したのは子どもを連れて野外活動を行う分野。
野外活動を通して子どもが心身ともに健やかに育つようにという感じ。
初めてのボランティアは先輩の補佐。
小学校3-6年生の子たちをいくつかのグループに分け、1グループ6-8人ほど。
グループワークや全体活動などを月1回、年間通して行うというもの。
活動内容はボーイスカウトとかと同じようなイメージでいいんだけど一つ決定的に違うところがあった。
それは活動の企画・準備から運営まですべて学生ボランティアが行うという点。
厳密には同じYMCAでもスタッフが全部やってボランティアは当日のサポートというところもあるみたいだけどおれが所属したところはすべて学生ボランティアが計画していた。
もちろん最終チェックはスタッフがするし助言もしてくれる。
でもその大部分が学生の自主性に任されていた。
月1回の活動のために少なくとも4.5回はミーティングを重ねてその月の活動テーマや内容、準備物品、行き先まで考えることもあった。
息詰まることも多々ありミーティングが3時間以上に及ぶこともよくあった。
もちろんボランティアだから賃金は発生しない。
部活の時間もバイトの時間も削って取り組まねばならず犠牲にしたものは多かったけど今思えば得たものも大きかったし本当によく4年間もやり切ったと思う。
4年間やりきれたのはこの半ば断り切れず半強制で連れられて行った1回目の活動があったから。
子どもたちとのやり取りは普通に楽しかったけどそれ以上にこの1回の活動に賭けている先輩方の思いを感じ取れたから。
“年間通して行う活動の中の1回”ではなく“今日この日の1回”という思いの入れ込み方に感動した。
というのが自分がYMCAの活動にのめり込むきっかけだったと思う。
ということでこの日から毎月の定例会への参加、夏冬のキャンプ、それに伴うミーティングへ参加する日々が始まった。
でもまだ自分が小児科になりたいという気持ちはまったくない。
つづく。
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