まずはがん領域で頑張ろう。
そう決めて走り抜けた緩和ケアCNとしての1年目。
転機は思った以上に早く訪れた。
というか自分が希望して押し通したのだが。
理由はいろいろとあるのだが8年目の終わりで異動希望を出した。
非がんの緩和ケアに取り組みたいという気持ちが高まっていたこともその一因。
異動先はICUか小児循環器病棟か。
自分の希望はそのどちらか。
ICUという場での緩和ケアはがん領域より何週も遅れている。
これは緩和ケアの発展してきた分野ががん領域であり、救命救急を主な役割とするICUとは一見遠い関係に見えるからだと思っている。
だが緩和ケアを学んだ身からすると“ICUこそ緩和ケアが必要”だと思うのだがまだまだICUでその認識がされているとは言い難い。
そして心不全の緩和ケアにも焦点が当たりだし、緩和ケア診療報酬が取れるようになっていた。
なのでICUか小児循環器病棟というわけ。
新年度すぐの異動とはいかなかったが、下半期に希望通りの小児循環器病棟へ異動が決まった。
がん領域を離れて非がん領域へ。
自分のがん看護経験は認定看護師教育課程の前後合わせて約3年で一度幕を閉じることになった。
再び幕が上がる日が来るのかはまだわからない。
そして次なる場所。
小児循環器病棟へ。
さぁどうやって緩和ケアを進めていこうか。
なんて思いを巡らせていたのだが思いのほかすんなりと受け入れられた。
その要因はいくつかある。
ひとつは同期や知り合いが多くいたこと。
気兼ねなく相談できる存在が多くいた。
これはめちゃくちゃ助かったし異動後のサポートは十分すぎるほどにしてもらうことができた。
もうひとつは小児循環器医師が緩和ケアへの理解があったこと。
これには本当に感謝以外の言葉がない。
異動してすぐに緩和ケアCNであることを認知してもらい、小児循環器緩和ケアチームが発足した。
こんなにスムーズに事が運ぶのかと驚くほどに医師たちの団結力はすさまじく、頼もしかった。
おかげさまで異動してきた年に「デスカンファレンスの運営手順整備」と「循環器緩和ケアカンファレンスの定期開催」という大きな活動ができた。
非がんの緩和ケアを進めなくては。
そう感じていたのは自分だけじゃなかった。
何よりもそれぞれの現場で働く医療者が苦痛緩和の重要性を認識し、何かしなければと危機感を感じている。
その事実がとても嬉しかった。
志同じくする大切な仲間たちと出会えた9年目。
つづく。
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