半年間の認定看護師教育課程を経て元いた小児がん病棟へ戻ってきた。
しかし認定看護師教育課程というのは卒業しただけでは資格はもらえない。
資格試験を受験する権利を得るだけ。
看護学校を卒業したら国試が受けられるのと同じ。
なので元の仕事に戻ってからも勉強の手は緩められない。
というかむしろ働きながら勉強する必要があるので認定看護師教育課程中よりもよっぽどきつかった。
まずは第一目標を資格試験の合格と決めた。
そしてもう一つ新たに決めたことがあった。
それは非がんの患者への緩和ケアを進めたいということ。
というのも緩和ケアCN教育課程の内容は予想以上にがん看護ベースだった。
しかも高齢者のがん看護。
知ってる人も多いと思うが小児と高齢者ではがんの好発部位がまるで違う。
なので自分はただでさえ乏しいがんの知識の中でも全く知らないことをベースに1から勉強することになった。
そして小児がんの内容が少ないということは小児の非がんなんてまさに皆無だった。
思うところはいろいろあったが半年間の研修で心に決めた。
自分は「すべての子どもに緩和ケアを届けたい」と。
がんも非がんも関係ない。
苦痛を感じているすべての子どもが安心して安全に生活できるように。
それが自分の役割だと強く心に誓った。
でもやはり緩和ケアというのはがん看護を中心に発展してきた学問。
がん看護の経験をすっ飛ばして非がん緩和ケアをするのはどうも違う気がした。
なのでまずは元の場所で。
小児がん病棟で実践しようと決めた。
高齢者ベースで得た緩和ケアの知識と技術を子どもの看護に応用する。
まずはそこからはじめようと。
とはいえまぁ簡単ではなかった。
行く前に懸念した通り、自分は小児がん病棟で育ってきた看護師ではない。
そしてそもそも小児がんに携わる医療者は緩和ケアへの意識も高い。
そんな環境であらためて緩和ケアCNとして踏み出す1歩は重たかった。
それでも自分なりには頑張ったつもり。
みんながどう思っていたかはわからないけどね。
そして第一目標の試験合格も滞りなくクリア。
ただ残念なことにともに切磋琢磨した仲間のうち何人かは合格できなかった。
この年の緩和ケア分野の試験は難しかったみたい。
ほかの分野で合格率95%前後が並ぶ中で緩和ケア分野は合格率80%ちょいだった(と思う)。
なんで緩和ケアだけこんなに低いんだよと合格した身でありながらもやっとした気持ちになった。
そんなこんなで新たな目標を見つけて走り出した8年目だった。
つづく。
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