【看護師3年目の目標】保育士の資格取得

看護師3年目の目標。

「保育士の資格取得」

この年から目標の方向性が“仕事”から“自分の将来”に大きくシフトする。

保育士の資格取得を志した理由はいくつかある。

その中でも一番大きな理由が“子どものプロ”になりたかったから。

この頃の自分は3年目が終わったらNICUから小児科へ異動する気満々だった。

なのでそのために一般小児について学んでおきたかった。

どうせ勉強するなら目標があったほうがいいということで子どもに関する資格をいろいろと調べた。

ベビーシッターとか民間資格を含めるとけっこうな数がある。

資格の内容なんかを吟味しつつ一通り目を通したところシンプルな答えにいきつく。

「子どもの勉強したいなら保育士でいいじゃん」

保育士はまさに“子どものプロ”。

国家資格となるので働きながら勉強するにはちょっとハードル高いかなと思いつつもどうせやるなら一番やりたいことをやろう。

ってことで保育士の国家資格取得を決意した。

保育士の資格を取得する方法は大きく2つ。

「保育学校を卒業する」か「国家試験を受ける」か。

看護学校は卒業しても国家試験受験資格を得ることができるだけなのだが保育学校を卒業すると国家試験を受けなくても資格取得ができるらしい。

だがもちろんそんな時間はないため「国家試験を受ける」方を選択。

保育士の国家試験を受ける受験資格はわりとゆるく、学部によらず大学を卒業していれば受けることができる。

大卒じゃなくてもけっこう幅広い人たちが受験できるようになってるので興味ある人は調べてみてもいいかもしれない。

保育士の国家資格は9科目の筆記試験をそれぞれ6割以上で1次試験合格。

そして「音楽・造形・言語」の3つの実技から2つを選んで行う2次試験。

2次試験を合格すれば晴れて保育士の資格を取得できる。

まず考えたのはユーキャンの保育士コース。

ただおそらくサポートは手厚いのだろうが料金が高めなのと“隙間時間でやる人向け”なのか「1日30分で来年受験へ」みたいな雰囲気があったのでやめた。

受験を決めたのが5月ごろで筆記試験は8月ごろだったので自分は3か月で詰め込んで勝負するつもりだったから。

けっきょく自分で勉強すればいいじゃんってことで保育士国家試験対策の本を上下巻で購入。

その他の国試対策関連はまったく手を付けなかったけどしっかり筆記試験をクリアできたので国試対策本はめちゃくちゃ優秀だった。

先ほども述べたが保育士の1次試験は9科目。

全科目で6割以上を取る必要があるのだが実は救済措置がある。

全科目合格できなくても、合格した科目は3年間は受験免除をされる。

例えば惜しくも9科目中8科目しか合格できなかった場合は来年の受験では残る1科目だけ受ければよい。

忙しくて勉強時間を十分に確保できない人なんかは3年かけて勉強するのも一つの方法。

だけど自分はそんな悠長に考えてなかったので今年だめならあきらめるつもりで一発勝負にかけていた。

9科目の中には保健や心理学、食と栄養など看護師の知識を活かせるものも多かった。

なのでその分の時間を苦手な歴史や法律にまわすこともでき、無事に一発で1次試験に合格。

そして喜びもつかの間で実技試験の対策をはじめなければならない。

実技試験の「音楽・造形・言語」とは簡単に言うと「弾き語り・イラスト・読み聞かせ」のこと。

音楽は課題曲2曲をピアノかギターかアコーディオンで弾き語り。

造形は当日に指定された状況を色塗りまで含めて60分で描写。

言語は課題図書3つのうち1つを暗記して子どもたちに聞かせるという状況で演じる。

当時の自分は弾き語りどころか音符すらまともに読めなかったので選択の余地はなく「造形と言語」を選択。

造形で指定される状況というのがわりとやっかいで「保育士1人以上、子ども2人以上、誕生日会をしている様子」みたいな感じで指定される。

しかもデフォルメされたかわいいイラストはダメで関節や可動域なんかを丁寧に描き、なおかつ状況に合わせた背景や環境を描き色塗りまでを60分でするという。

とてもじゃないけど素人には無理。

なので練習あるのみととにかく地道に絵を描いた。

1日1枚は絶対に描くと決めて想定されるあらゆる状況をとにかく描いた。

走る動作やかがむ動作など保育士や子どもが取りそうな姿勢を描く。

お弁当の時間や公園での散歩など過去の課題を調べつつたくさんの環境を描く。

そして迎えた当日。

お題は「保育士1人以上、子ども2人以上、動物園で過ごす様子」だった。

終わった。

動物を描く練習なんてまるでしてない。

でも60分しかないので考える時間なんてない。

描いたことがない人には60分てイメージが湧かないかもしれないけど自分の場合は下書きをすると時間が全く足りなかったのでなんとなくあたりをつけていきなり実線で描いていった。

描いたことのない動物は小学生の頃によく書いていたハムスターを描くことに決め、動物園のふれあい広場的な状況を描いた。

絵のうまさはもちろんだが配点が細かく分かれているようで色塗りに何点、身体の構造で何点みたいな感じだったのでとにかく部分点をかせげるようにと頑張った記憶がある。

言語は「3匹のこぶた」「うさぎとかめ」「3匹のやぎのがらがらどん」からどれかひとつ。

ただ読むだけではなく3分という時間制限があり、制限時間まで物語の山場を越えている必要がある。

また、内容が大きく変わらなければ多少は物語の改変はオッケー。

とりあえず3作品すべて読んだけどまず普通に読むと「うさぎとかめ」以外は3分じゃ絶対に読み切れない。

山場を越えればいいとあるが読み切れないのは気持ち悪いし自分で物語を省略するのも怖かったので昔からよく知っている「うさぎとかめ」を選択した。

これに関してもまずは毎日ひたすら読む。

暗記試験ではないがまず物語の大筋を覚えていないと話にならない。

とにかく読み込み、物語を覚えてからが対子どもを意識して目線や身振り手振りなんかの工夫を凝らす。

こちらもまぁ緊張はしたけど造形に比べると事前準備がしっかりできたし気持ち的には少し楽に受けることができた記憶。

音楽は受けなかったけど課題曲は「おつかいありさん」「おへそ」の2曲。

確か両手を使う(伴奏つき)というのが最低ルールであとはアレンジ自由だったはず。

実技に関しても無事に合格を勝ち取り晴れて保育士の資格を取得した。

当時の保育士試験は年に1回だったので(今は2回になってたはず)5月ごろに受験を決めて8月ごろに筆記試験、台風で延期されたため12月に実技試験という1年通しての挑戦は無事に幕を閉じた。

「看護師が保育士資格を取って何か得するの?」と聞かれると正直困る。

ただ自分の場合はいくつもいいことがあった。

ひとつは音楽を始めるきっかけになったこと。

ひとつは保育士関連の仕事をいただけたこと。

ひとつは大学院での授業免除があったこと。

今の仕事に直結しなくても自分の人生においてちゃんと意味のある資格となったしなにより子どもを看護する身としては少なからず自信にもなる。

自分の中では人生設計のためにちょっと勇気を出して方向性を決めた3年目の目標でした。

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