以前から伝えていた通り、無事に退職して現在は新しい職場で働き始めている。
まだはじまったところなのだが、すでに病院との違いをひしひしと感じている。
違いを感じる点は多々あるが、今のところは「患者と利用者」、「患者情報」という点がけっこう大きいと思っている。
患者と利用者。
知り合いには施設看護師もわりといるのでその違いというのは頭では理解しているつもりだった。
でもやはり百聞は一見に如かずというものであらためてその違いを強く感じる。
“患者”というのは、あらためて説明するまでもないが何らかの必要性があって治療を受けている人のことを指す。
基本的には日常生活に影響を及ぼすような健康上の問題があることがほとんどだと思う。
その状況を改善するためには受診することが必要であり、マイナスをゼロにする治療を受けるのが「患者」となる。
対して“利用者”というのは、その施設やサービスを利用しなくても健康上の大きな問題は生じないが、ADLの改善や健康増進など、ゼロからプラスにするためのサービスを受ける人のことを指すと思っている。
個人的には病院勤務の時も看護師は“専門職”であり“サービス業”だと思っていた。
これに関しては「看護師はサービス業じゃない」って意見の人も多いと思うのであくまで個人的な意見。
ただ利用者を受け入れる施設の看護師となると“サービス業”の側面はやはり強くなるのではないかと思う。
病院勤務の頃は「利用者を増やしたい」とか「利用者が使い続けたくなるようなサービスを」なんて正直考えたこともなかった。
まぁ「使い続けたくなるサービス」に関しては“入院中少しでも充実した時間を過ごせるように”とか“再入院になっても抵抗なく来てもらえるように”とかは考えていたけどちょっとニュアンスが違うよね。
「利用者」を相手にするということをあらためて実感している今日この頃。
もちろんネガティブな意味合いはなく、利用者が快適に使えるように、過ごせるように、なんて子どもを相手にする医療者ならおおよそみんなが思っていることだと思うので全然違和感なくその考え方は自分の中に入ってきた。
あとは「患者情報」について。
病院勤務だと患者の個人情報というのはカルテを少し見ればいくらでも手に入る。
家族構成や既往歴はもちろん、生活状況や社会的背景など、日常会話の中ではなかなか知りえない情報もある意味簡単に知ることができる。
もちろん、だからこそ法律などでその情報の取り扱いについて厳しく規定されている。
さらに言うまでもないことだが、必要だからその情報を得るのであって、興味本位で情報を探ることはない。
でも施設ではそうはいかない。
もちろん施設にもよるだろうが、病院ほど詳細な情報を得ることは難しい。
というのも前述の話につながるが、“患者”ではなく“利用者”なので施設にとって必要な情報というのが病院よりは少ないというのが理由なのかなと思っている。
以前Twitterでも記載したけど情報というものの大切さをあらためて実感した。
まだまだ地域の医療者としては新米ぺーぺーなので今回書いたような違いにくわえてたくさんの初体験をさせてもらっている。
まだ1か月程度なのでなんとも言えないけど、転職スタートダッシュとしてはまずまず。
来年の今頃に“転職大成功”って言えてたらいいなと思いつつ。
おわり。
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