NICUで看護師2年目がはじまる。
看護業務に関しては2年目になったこともあり少し重症な子を担当することが増えた。
その重症な子の中にはもちろん亡くなってしまう子もいる。
去年までは実際に受け持つ子が亡くなるということはまだ少なく、そんな中でデスカンファレンスを運営していた。
だがこの年から自分が受け持った子が亡くなるという経験が増えた。
デスカンファレンスをより自分事としていろんな感情を持ちつつ運営できるようになった。
そんな中、係の中で新たな動きがはじまる。
子どもを亡くした後、地域で生活する家族はどうしているのか。
地域の患者・家族は地域の医療者へつなぐため、病院の持つ役割の中では地域で生活する患者・家族の様子を知る機会はそれほど多くない。
子どもを亡くした家族のフォローアップがどうにかできないか。
ということで「グリーフカード」を作成することになった。
グリーフカードというのは悲嘆のプロセスの最中にいる遺族の方へ送るカードのこと。
カードの内容は遺族の方の気持ちや体調への気遣い、一般的な悲嘆のプロセス、つらいときはサポートさせてほしいといったものになっている。
このグリーフカード。
子どもを亡くした家族に送るものなので簡単な気持ちで取り組むことはできない。
係としては結構大きなプロジェクトとなった。
まず個人で取り組んだのはグリーフ関連の研修に参加すること。
2年目は結果としてほぼ毎月何らかの研修(グリーフ以外も含めて)に参加していた。
新生児関連が3割、緩和関連が6割、その他1割といったところ。
グリーフ関連の研修って当時はそれほど種類がなかったのかいろいろ参加していると同じ人に出会うことも増える。
研修の中で素敵な出会いがあったのだがそれはまた次回で。
そんなこんなで微力ながらグリーフケアについて学びつつ先輩方とグリーフカードの作成を進める。
結局カードが完成して運用開始できるまでには3年ほどかかる。
それだけグリーフカードというのがセンシティブなもので病棟を巻き込んで運営していくにはスタッフ全員の協力が必要だったということ。
正直めちゃくちゃ大変で時間がかかったけど本当に大変だったのは興味はあるけどまだまだポンコツな自分を育成しつつ一緒に作成に関与させてくれた先輩方のほうだと思う。
つくづく先輩方には恵まれていたと思う。
緩和ケアに関して積極的に学びだした2年目。
つづく。
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