【実際どうなの?】看護師の「3年神話」について

看護師は3年働いて1人前。

みたいな話はわりとよく聞くと思う。

いわゆる“3年神話”というやつ。

正直どうでもいいと思ってたし3年に何の根拠があるんだと思ってた。

ただの根性論の延長かなって。

看護師歴10年を越えた今。

あらためてこの“3年神話”について触れる機会があった。

それはある看護教員の言葉。

「看護系大学院なら臨床経験3年は積んでから院進をした方がいい」

この言葉を聞いて

『また根拠のない3年神話かよ』

って思ってたんだけどどうやらそうでもないらしい。

ほかの分野はどうか知らんが看護系では「経験年数3年以上」という文言が目立つ。

例えば認定看護師や専門看護師の受講資格は「臨床経験5年以上のうちその分野の経験が“3年以上”」となっている。

その教員によると修士取得後に臨床に戻るにせよ研究を続けるにせよ看護系大学院を卒業した後の進路についてもその3年が重要だったりするそうだ。

自分は看護系大学院ではないのでどう重要かとかその辺の実情は全然知らんのだけど。

3年という数字はおそらく多くの組織でリーダーや指導者などをはじめる年数だと思う。

小規模でも管理や指導の経験があるということが重要視されているということだろう。

まぁ言いたいことはわかる。

日々の業務に手いっぱいな新人から少し視野の拡がる中堅へ。

その最低ラインが“3年目”と設定されていることが多いんだろうな。

だからおそらく“3年”には何の根拠もない。

しんどい若手に「まずは3年頑張ってみよ」なんて声掛けがあるのは看護業界の至るところで設定されている数字が3年以上だからだろう。

じゃあその“3年神話”は無意味かというと個人的にはそうは思わない。

根拠がなくても事実として“3年以上”の経験がないとできないことがめちゃくちゃあるから。

先に触れたけど自分が取得した認定看護師だってそう。

自分は新人の頃から緩和ケア認定看護師になりたかった。

でも初期配属はNICU。

緩和ケア認定看護師になるためには“緩和分野での経験が3年必要”だったので急いで緩和ケア領域に異動したいと願っていた。

いろいろあって結果的に自分はNICUでの看護を緩和ケア経験と申告して無事に通ったので何の問題もなく今に至るわけだが、もしNICUの経験が緩和ケア領域ではないと判断されたらあと3年は緩和ケアに足を踏み入れるのが遅くなっただろう。

もちろん早い遅いでは図り切れない要因は多々あると思う。

でも結局のところ“やりたいことをやるには経験年数が必要”という事実がある。

だからもし自分のやりたいことが絡んでるなら多少しんどくても3年頑張るというのはひとつの目安になると思う。

もちろん身体や心を壊してまで無理する必要はない。

自分のキャリアプランなんかとのバランスを見て決めればいいと思う。

ここで一つの疑問がわいてきそう。

「じゃあやりたいことが絡んでなければ3年神話は意味ないの?」

そう聞かれたら迷わず答える。

『意味ないね』と。

自分が興味のない分野や気分が乗らず無理やり頭と身体を動かしているようなら3年も頑張る必要ない。

短期間で転職をくりかえすことになろうが“自分の心がワクワクする場所”もしくは“自分が穏やかで平穏に過ごせる場所”を求めてふらふらしてもいいと思う。

もちろん転職をくりかえすことによる何らかのリスクは伴うだろう。

結局そこも世間体やライフプランとのバランスになるんだろうけど。

とまぁつらつら書いてみたけど言いたいことは

「自分のやりたいことなら3年は頑張ってみたら?」

って感じかな。

自分のやりたいことをやるってすごく聞こえはいい。

でもたとえ好きなことでもそれをやり続けるには気力も根気もそれなりに必要。

だから“本気でやりたいことならまず3年”という意味なら“3年神話”はあながち的外れでもないのかもなと思った今日この頃でした。

おわり。

コメント

タイトルとURLをコピーしました