看護師として生きていくことを決めたならどこかしらで必ず耳にする資格。
「専門看護師」と「認定看護師」。
看護学生の頃には何となく憧れる人も多いけど働き始めると資格取得へのハードルはいろいろとあり実際に目指す人はグンと減る印象。
多くの看護学生と同様、自分も学生の頃から資格取得を志した。
そしてその志の灯は消えずに今に至る。
ただ資格取得をするにあたり迷いに迷った選択肢がある。
それが“どちらの資格”を目指すかということ。
迷う理由は人それぞれだと思うけど自分なりの理由を残しておこうかと思う。
資格取得を目指すにあたってまず考えるのは当然“自分が何をしたいか”だと思う。
漠然と“何でもいいから資格が欲しい”って人はさすがに少ないんじゃないかな。
自分の場合は学生の頃から“緩和ケア”。
そして“子ども”。
このどちらかもしくは両方を満たせる資格を常々考えていた。
緩和ケアと子ども。
それらを満たしつつやりたいことをやるための選択肢。
自分の中には2つの選択肢があった。
「小児看護専門看護師」か「緩和ケア認定看護師」か。
つまり
小児看護専門看護師として緩和ケアに取り組むか。
緩和ケア認定看護師として小児看護実践をするか。
同じようなこと言ってるように聞こえるかもだけどスペシャリティとサブスペシャリティが逆転しているので資格取得後の働き方や立ち位置が全然変わる。
ちょっとわかりにくいと思うのでもう少し具体的にみていく。
小児看護専門看護師を目指した場合。
小児看護専門看護師という資格は読んで字のごとく“小児看護”に精通した看護師ということになる。
そもそもとして専門看護師というのは認定看護師よりもかなり大きな幅を持った名称となっている。
小児看護と一言で言ってもそのすべてに精通するのはよほど優秀じゃないと難しい。
なので小児看護専門看護師として実践していくなら自分なりに突き進む分野をある程度決めてそれをサブスペシャリティとして極めていくということになる。
自分の場合はそのサブスペシャリティを“緩和ケア”にすれば小児看護専門看護師として緩和ケアに取り組めるということ。
ただここで簡単に決めきれない要因が一つ。
それは“小児緩和ケアに関する研究論文がかなり少ない”ということ。
専門看護師の役割というのは認定看護師と違い、研究や教育という側面が強い。
研究や教育によって看護全体の底上げを図っていくにあたり研究論文が少ないというのはけっこう致命的な問題。
もちろん自分がその研究をどんどん進めて研究論文を増やすという方法もあるのだがそれについては後述する。
緩和ケア認定看護師を目指した場合。
この場合の悩みどころは資格取得のための教育過程に小児看護の要素がかなり少ないということ。
認定看護師というのは専門看護師と比べてかなり限局した範囲の資格となっている。
その理由はより現場での実践に特化した資格であるから。
認定看護師の役割には専門看護師のように研究や教育は含まれていない。
教育の代わりに“指導”が含まれており、教育という大きな枠組みではなくより限局したケア実践に対する指導というニュアンスとなる。
つまり認定看護師は専門看護師よりもかなり実践に重きを置いた資格となる。
この実践に重きを置くという点が最終的に緩和ケア認定看護師を選択した決め手となった。
たとえ緩和ケア認定看護師教育課程の内容に小児看護の要素が少なかろうが実践ベースの教育なんだから絶対に小児看護に応用することはできる。
それに加えて上述した“小児看護の研究論文を自分が増やす”と意気込んでみるなら実践ベースの教育を受けてなおかつ実臨床での経験を積むほうが質の高い意義のある研究論文につながると思ったんだよね。
つまり自分は臨床でばんばん実践を行い何らかの成果を残せるように頑張る。
いつの日か自分のように実臨床で小児緩和を実践する人たちの成果が増えてきたらその時はまた別の誰かがその成果を使って小児緩和ケアの発展に寄与する研究や教育をしてくれるんじゃないかなと思ってる。
その役割を自分でやらないのかと思われるかもだけど個人的にはまだその時じゃないと感じてる。
だからちょっと気取った言い方をするなら自分の実践は未来につながる1ピースとして提供できたらいいなと思ってる。
ちょっと長くなっちゃったけど自分が「認定看護師」を選んだ理由はこんな感じ。
少しでも小児緩和ケアに関する実践をおこない未来につなげていけるように。
子どもをサブスペシャリティとする緩和ケア認定看護師としてこれからも頑張ります。
という決意表明でした。
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